漢字について調べたり

最近は漢直Winのデバッグをしています。バグは見つかれども、C言語が分からないのでお手上げです。いえい。


明朝体

明朝体・考
とてもおもしろい。


ドットフォントの場合、"字形構造の正確な表現"という明朝体に求められる要件を満たすことができないということもあるし、「へ(ひらがな)・ヘ(カタカナ)」ならゴシックの方が区別しやすいということもあり、ketttは画面上では基本的にゴシックを使います。字形の僅かな違いを区別する必要がある場合、ゴシックでも判別ができるよう、わかりやすく特徴をつけてもらいたいものです。
また明朝体に対する根本的な疑問として、「デザイナの恣意ではない正確な字形構造なんてあるのか」という疑問もあるのでして。

衣・氏・比


イワタ明朝体のなんでやねん


八屋根、筆おさえは、もはや「ナツカシイ」デザインです。ただし、「衣(6画)」の左下が楷書に比べて一画多く見えるという独特デザインは健在ですし、ゴシック体にも継承されています。おそらく、一画多く見えるように描かないと、バランスがとれないのでしょう。
衣 上・楷書 下・草書 右・行書


また、イワタ社が「古い」と考えたらしい「家」の字形について。
JIS漢字では「古い」ものが採用されたまま改正されていないので、Meiryoは「古い」字を採用しています。なお、MSゴシックでは「新しい」方が採用されていました。なんだかなぁ。
Meiryoは退行してまでJISに従う必要があったのか、逆に、イワタ社はオールド体を改正してまで「新しい」字形を使う必要があったのか。どちらも甚だ疑問なわけです。
ketttはこういう争いから逃れるべく、手書き風楷書体を使おうと思いました。

しかし 一方その頃、手書き風ペン字 Y.OzFontでは……

一画増えてる!

うーん、活字体のデザイン上一画増えたように見えただけのものが、ペン字にも影響を与え、実際に一画増えてしまっている、と。手書きペン字の場合、「デザイン差」と言って逃げることはできませんね。楷書の画数解釈とは全然ちがうと言わざるをえないのですから。
「無」も楷書は1番下の横画が長いはずなんですけれど、Y.Ozは下から2番目の横画が長いです。


Y.Ozの場合、手書き風なのに印刷標準字体に従うという謎な仕様によりこうなってしまっていると思われるのですが、一般にも画数を増やしたり、活字のように書く人は多いような気がします。


そもそも元々画数があやふやな字もいっぱいある。
どう見ても5画にしか見えない毛筆楷書の「比」(左上)

まとめ

  • 細かい字形は気にしたら負け
    • そのときそのときでバランスと整合性がとれていればよい
  • Meiryoは古い
  • 手書き風フォントはフォントであって手書きではないので印刷字体にしたがう(たぶん)
  • 手書きで活字っぽい字を書いていても気にしない