メメタァ

ひとつのキーに1つ以上の名前がついていることを、人は一般によしとしない。
というか、認識できない。
ひとつのキーに1つ以上の機能をつけることもできれば避けたいが、そうしなくとも、うまくやることでユーザーを納得させることができる場合がある。


たとえばひとつのキーに2つのカナが振られた月配列の配列図を素人が見た場合、
とっさに次のような段階を踏んで図を理解しようとする。


1.ひとつのマスはひとつのキーに対応するのだろう
2.左端のキーが、q、a、zに対応するのだろうが、確証はない
3.ひとつのマスに2文字配置されているから、これをどうにかして区別するのだろう
4.具体的にどう区別するのかわからないが、わからないから難しそうだ


……Rayさんが「カナ配列は、Qwertyを基準にして覚えてください」と言っているのは、
キーに単一の名前を振るため。アルファベット=キーの名前にして認識することで、配列の覚えがまったく違う。
(「カタカナひらがな/ローマ字キー」なんて得体の知れないキーは、初心者は絶対に覚えようとしないし、触れようともしない。「前候補変換/全候補キー」は最近、「変換キー」に改名された。逆に、カーソルキーが「先頭確定次候補↓」とかいう名前のキーになったら、すごく嫌だと思う。)


月配列はあくまでqwerty(ないしその他外国語用)キーボード上に出現する仮想キーであることをユーザーに暴露しておかなければならないし、そのほうが月配列にとってもいい。

「月配列は、qwertyを単純に1対1変換することでカナを得ている」ことがまず理解できた方が、Qwertyを知っている人間にとって大きな足がかりになり、わかりやすいからだ。
具体的には、月配列図に小さくqwertyと振っておくとか。それから、配列の内容と関係のない(指遣いとかの)色分けをなくすとか。

ここでユーザーはまず、「文字のふってある1キー=1文字」という月配列のもっともよい部分に触れ、どのキーを打てばどの文字がでるのかを理解する=主要部分である、1打鍵文字のマップを手に入れることができる。


この段階までは、2打鍵文字は隠しておくべきと思う。


そして「あまり出現しない文字は、2打鍵で打ちます」と言って中指交互打鍵の説明を簡単にした上で、
2打鍵目の文字だけを並べたものを改めて見せるのがいいと思う。



技術者というのは、自分の作ったものの成果を集大成したがる傾向があるから、
いろいろかき集めて、密度の高い一覧図に仕上げたがる傾向がある。
でもやっぱり、順番に噛み砕くのが正解かと思う。
観光案内図に詳細道路図を被せても決して便利にはならない。そういうものがあったとしたら、ユーザーはそれぞれべつにしてほしいと思うだろう。


あと、出だしの説明文が長いのもどうせ読まれないからよくない。